CROSS TALK

01

頼ってばかりだった自分が
だんだん責任感を抱くように

勝野
「もともと僕は、カスタマーズディライトの内装を手掛けているイーストアプランニングに入社したんですけど、社長と話したときに、内装に携わるんだったら、お店で働くことで見え方が変わるから、一度居酒屋で働いてから本社に戻っておいでと言われて現場で働くようになったんですけど……、正直今はもうカスタマーズディライトの人間だと思ってます」
「入社当初では考えられない発言だね(笑)」
勝野
「説明会にいって雰囲気がよかったから単純にいいなと思って入社したんですけど、居酒屋で働くことは初めてだったから入社当初は何もできなくて……」
「人形町店は社員の異動が多いから、勝野くんも教えなきゃいけない立場になって、そこで成長したよね。今は僕の気持ちも伝えてあるし、何も言わなくても動いてくれるようになって本当に助かってる」
勝野
「新卒といえど責任感が出てきて、やらなきゃだめだっていう気持ちになっていったんです。最初は店長候補の人がたくさんいたから、頼ればなんとかなるって思ってました。僕のミスなんてどうでもいいくらいみんな仕事ができるし、自分が動くほうが迷惑になるから頼っていこうって。でも今考えれば、自分から動かずに指示されるのを待ってるだけの社員なんて、僕だって嫌ですもん」

人を見て人を育てる
目には見えない店長の配慮

「最初は慣れなくて悩んでたよね」
勝野
「入社して社長から期待してるって言われたときは嬉しかったんですけど、いざ働いてみたら、本当に向いてないって思ったんですよ。王さんもなんだか怖くて、あまり話してくれないし。最初の2カ月くらい他の社員さんみたいに話せなかったんですよ。今は恋人気分ですけど(笑)」
「顔が怖いってよく言われるからね。お客さんからボクシングやってるの?って聞かれるくらい(笑)。自分でも自覚してるし、僕は仕事には厳しいから、勝野くんには最初は優しい社員が教えたほうがいいだろうなと思って」
勝野
「僕自身に怖いっていう勝手なイメージがあったからいけなかったんですよね。でも、仕事の面では厳しいけど、たまに話すといい人だなっていうのは感じてました。少しずつ話してくれるようになって、仕事もふってくれるようになって、話せば話すほどめっちゃいい人なんだってわかったんです」
「今も仕事では厳しいでしょ?」
勝野
「仕事で厳しいのは当たり前だって、今はもうわかってますから」

自分の居場所を見つけて
小さな目標を達成する喜び

「勝野くんは、料理が向いてなかったからホールを担当してもらうことにしたんだけど、時間管理がうまいことに気づいたんだよね。そのあたりから、だんだんホールの管理や接客を積極的にやってくれるようになって……入ってきたときと比べて、成長したなって本当に思う」
勝野
「自分でも仕込みが全然できないことにはわかってました。だから、だったらもうキッチンのことは考えずに、ホールを極めてやろうって思ったんです。未経験で、自分が頼りないことは認識してましたから、まずは自分の居場所を作ろうと思って」
「うん、気づいてた。金曜日は回転が速いけど、だんだん勝野君がいないとダメだって思うようになったし」
勝野
「まさにそれなんですよ! とにかく、金曜日でも僕がいれば安心だと思ってもらえるようになろうって。最初の目標がそれだったんです」
「その目標は達成してるよね。もう安心して任せてるよ」

成長させてくれた店舗への感謝と
異動を断るほどの店長への信頼

「僕も人形町店には勝野くんが必要だと思ってるから、このままいてほしいけど、ずっと異動の話を断ってるでしょ? もういい加減、異動しないと……」
勝野
「1年間で3、4店舗を経験しないといけないっていうのはわかってるんです。本社に戻るのが遅くなるだろうなって思ったけど、それを覚悟のうえで残ってますから」
「もちろん、残ってくれるのは嬉しいけどね」
勝野
「始めたときは、辞めたいって思ったし、怖かったし、向いてないって思ったし……僕も自分がここまで変わるとは思ってなかったんです。今ももしかしたら、居酒屋には興味がないのかもしれないけど、もう情があるし、今こうやってやれてるのは、間違いなく王さんと人形町店があるからなんですよ」
「僕も異動を断ってくれて嬉しいけど、親心としては、これからどうするのかが心配で……。次、異動の話が出たら、人が足りなくても残っちゃだめだよ」
勝野
「異動のタイミングは王さんに決めてほしいんですよ。本社じゃなくて、王さんがちゃんと考えたうえで、もう異動していいよって。自分で決めて残ってるんで、僕の今後は気にしないでください。王さんの気持ちで言ってもらえるのがベストです」
「なんかもう、困ったなあ(笑)」